1. 

排尿障害の評価では、まず実際の排尿状態をよく把握することが重要である。
  排尿日誌では、排尿の時刻と排尿量を記録し、さらに尿失禁の有無、また失禁の状況、失禁量などを記録することにより、一回排尿量、排尿回数、一日尿量(昼間排尿量、夜間尿量)、失禁回数などの実際の状況が把握できる。正確に記録された排尿日誌からのみでも、排尿障害の状態、原因が推定でき、排尿パターンを把握することが可能で、対処法、治療法、介護計画の作成などに有用な情報が得られる。

2. 

排尿記録は昼間(朝起きてから寝るまで)と夜間(夜寝てから朝起きるまで)にわけて記録し、可能であれば3日間程度行うことが望ましいが、難しいときは1日でもよい。

3. 

自分で調査記録できる例では自分で行うが、自分でできない場合は、介護者が行う。

4. 

排尿量は目盛付きの計量紙コップ、あるいは採尿器により行う。尿失禁量はぬれたおむつの場合はおむつの重量をはかり、乾いたおむつ重量を差し引いて計算するが、おおまかに少量、中等量、多量など、あるいは下着が湿る程度、下着が濡れる程度、着衣まで濡れる程度、布団まで濡れる程度など、適当な分け方で書いてもよい。

5. 

おむつをしていて、自分で排尿を知らせることをできない例では(痴呆など)、排尿日誌をつける間は、1時間毎におむつの濡れ具合をチェックして、排尿時刻を記録する。

6. 

排尿記録は、排尿障害について専門医を受診する際、極めて参考となるので、保管して、専門医受診時には持参する。