切迫性尿失禁

尿意のチェック

尿意があるかどうかをチェックする。

尿意があるとすぐもれるのか、トイレに行くまでにもれるのか、トイレで着衣をぬぐまでにもれるかをチェックする。

排尿日誌から、尿意のある間隔、尿がもれる間隔をチェックする。

時間排尿誘導

尿意があってもしばらくはがまんのできる場合は、軽い尿意で早めにトイレにいくように指導する。

尿意を訴えた時にすぐに排尿できるような環境を整える。 

 

尿意があるとほとんどがまんできずにもれる場合は、排尿日誌から得られる情報により、時間的に尿もれが起こる前に排尿するようにする。

 

排尿訓練

痴呆がなく、理解力のある場合は、尿意切迫感が起こった時の対処方法を指導する。強い尿意が起こり、尿がもれそうになったらあわててトイレに行かず、落ち着いて座り、深呼吸をして、男性では亀頭部を自分で強くにぎる、女性では外陰部(尿道の出口のあたり)を手で圧迫して、尿意がおさまるのを待ち、それからトイレに行って排尿する。

トイレ環境の整備

尿意があったらすぐ排尿できるようなトイレ環境を整える。

トイレと居住位置との関係、ポータブルトイレや採尿器具などを使うことも考える。

特に高齢者では、夜間のトイレ移動が困難なことも多いので、夜間のトイレ環境を整える。

着衣の工夫

すばやく脱げる着衣を工夫する。何枚も重ねて衣類を着込んでいると、排尿時に脱ぐのに間に合わないことがある。

おむつなど

できる限りおむつをしない方法で排尿管理を考える。

どうしても必要な場合は、パッド、尿とりパンツなど、排尿時に脱ぎやすいものから使用する。

テープ固定式紙おむつは排尿時にすぐに取り外しにくいので、なるべく避ける。

留置カテーテル

原則として、切迫性尿失禁には尿道カテーテル留置は適応外である。

一般医あるいは泌尿器科医への紹介

膀胱の不随意な収縮にもとづく切迫性尿失禁は、抗コリン剤などの薬物治療が有効であるので、 医師を受診して、薬物治療を併用すべきである。