インタビュー 教えて先輩!! 老年医学の道って、どんな道?

野々垣 禅 先生

野々垣 禅 先生

愛知県厚生農業組合連合会 海南病院老年内科医長 2008年 福井大学卒

臓器に縛られることなく患者を診る。

多職種の連携による、患者と家族に寄り添う地域医療へ。

Q:なぜ地域在宅医療学・老年科学教室を選んだのですか?

A:学生実習で地域医療にふれて高齢者医療のニーズを知り、この人たちに応えるためのスキルを得るなら老年内科だと。

学生のときに高齢者医療にふれ、その楽しさを知り老年内科医を目指したいと思いました。初期研修を通じて、名古屋大学の老年内科が高齢者医療のスキルを上で良い環境であると重い、名大病院老年内科で働くことを決めました。

高齢者診療は、病気の治療だけではない。また、多職種との連携が欠かせません。

私が勤務している海南病院は地域の急性期中核病院です。また、急性期疾患の入院加療だけではなく、訪問看護ステーションとの連携により24時間対応可能な訪問診察を実施し、癌終末期のターミナルケアも行っています。私は現在、外来では物忘れ外来を担当しており、認知症の診断および介護環境調整を含めたサポートを行っています。
その際に感じているのは、高齢者診療では病気の治療をするのみでは健康・生活を維持することはできないということです。認知症の有無、自宅での生活環境、家族のサポート、介護サービスの利用状況など様々な環境要因についても把握してサポートする必要があります。また、医者のみではなく、看護師、リハビリ、薬剤師、栄養士、ケアマネージャーなど多職種による連携が必要と考えており、情報の共有をするよう意識して働いています。

病気ではなく“人”と“環境”を診る。在宅医療を通して患者や家族と関わっています。

病気は治っているのに、元気にならない、食事ができない、ADLが改善しない患者はたくさんいます。その原因として、入院環境、介護環境、多剤併用による副作用などが原因であることがしばしばあります。海南病院では急性期入院加療から在宅医療までをカバーしており、地域でも病院に受診する多くは高齢者です。日頃の診療をする中で、患者の在宅医療に対するニーズがとても大きいことを感じています。自宅に帰ることで環境が良くなり、元気になっていく高齢者を良く経験します。訪問診療を行い、患者や家族と密に接することは医師としてもとても楽しく、やりがいのある仕事だと感じています。また、終末期を自宅で過ごしたい患者さんのサポートを行い、自宅で看取りを行った後に家族に感謝していただけることは老年科医としての喜びの一つであると思います。

臓器に縛られることなく総合的に診て、多様な分野から自分の興味を見つけられます。
高齢者診療のスキルアップをする上では救急外来診療、急性期疾患の治療、在宅医療を含めた地域医療、介護保険サービス、老年症候群を中心とした慢性期疾患への理解など急性期から慢性期まで幅広い知識が必要と考えています。名大病院老内年科では、認知症診療のスキルはもちろんのこと、病棟業務として急性期疾患、その他外来業務では慢性期疾患の管理など幅広い知識を得ることが可能です。大学ということもあり、指導者の数も多く相談する相手も多いため、高齢者医療を学ぶのに適した環境であると思います。私も指導する立場として、高齢者診療を得意とする医師の育成を出来たら良いと考えています。高齢者を総合的に見ることができ、病気の治療だけでなく介護サポートを含めた介入が可能な医師が増えることが理想ですね。老年内科の医師は臓器に縛られることなく高齢者を総合的に診ることができ、認知症診療、救急医療、地域医療、在宅医療、緩和ケアなど自分の興味のある分野を見つけていくことができます。病気だけでなく生活のサポートも可能な医師を目指しましょう!