インタビュー 教えて先輩!! 老年医学の道って、どんな道?

鈴木 裕介 先生

鈴木 裕介 先生

地域連携・患者相談センター 病院准教授 1990年 浜松医科大学卒

今後さらに求められる医師になる。

超高齢社会の医療を支え、牽引するプロに育つ!

Q:なぜ地域在宅医療学・老年科学教室を選んだのですか?

A:研修で認知症の患者さんとふれあう機会がありました。そのとき純粋に、この不思議な認知の過程に興味を持ったんです。

精神科医になろうと思っていたんですが、たまたま研修で認知症の患者さんと接することができました。若いなりに精神科医のような目線で、高齢者の方を見ていたのでしょうか。そのとき、認知症の方の心の動きと接し方を「不思議だ」と、感じ、深めていきたいと思ったんです。

一言で言うと、「むじゃき」。私は認知症の方と関わることが好きなんです。

認知症の方って、自分を隠さないんですよ。地が出てきて、あまりにも真っすぐだからすごく納得させられることがあって、おもしろいんです。また、「老化現象」について、「人は弱い生き物だ」と思っている私はシンパシーを感じます。人間の魅力を感じることができるから、診療していていつもイキイキできるんです。やりがいという言葉は、何かを果たした時に使うことが多いですが、私の場合は、こうした診療を通じて長い間高齢者の方とお付き合いできることにやりがいを感じています。

大学病院と地域医療機関の接点を、これからもっと、拡大していく必要がある。

超高齢化の波とともにめまぐるしく変化する医療状勢の中で、入院医療における病床や、地域における在宅医療は、今後の医療資源の配置、地域医療の制度設計を根本から見直す時期にきています。その流れを受けて、前身の「地域医療センター」は、地域の機関病院である大学病院と、地域医療機関とのインターフェース(接点)を構築する部門として発足しました。私は同センター発足時から、連携部門の構築とサービス向上に関わってきました。しかしまだ課題はあります。連携の強化や逆紹介システムの構築、退院支援機能強化による地域の医療、介護資源との連携構築など、これからも機能をさらに拡げることが、私が取り組んでいくべき課題だと考えています。

これからの医療者に求められる資質は、老年内科医が取り組む臨床の視点で得られます。

超高齢社会において求められる医療者の資質は、大きく4つあると考えています。「患者さんの病態の理解とともに生活に必要な機能評価の視点を持っている」「治療の適否を考える上で介入による利益/不利益の適切な判断ができる能力と見識」「患者さんのみでなく介護者/家族と関わる包容力がある」「多職種と患者さんの立場から対等な議論ができる」という4つですが、これらはまさに老年内科医に求められる資質と一致します。今後の地域医療のモデルは医療単独では成り立ちません。医療は生活支援のための資源の一つとして他の資源と一体化して機能する仕組みを作らなければならないのです。だからこそ、老年内科医が取り組む、患者さんの生活を支えるという視点からの臨床、そのために必要な医療知識や技術の取得が、これからの医師にとって、より大きな意味を持ってくるのではないでしょうか。