今年(2008年)は,名古屋大学医学部で精神医学の講座が開講し,講義が始まってから丁度 100年になります. 先日(2008年11月22日)には,多数の来賓を迎えて その記念行事が行われました.

そして 同時に,多数の名大精神医学教室・同門の方々により執筆された「名古屋大学精神医学開講100年(中日新聞出版開発局)」も出版されました.

その内容は,第1部は,名大精神医学教室および関連施設の歴史,第2部は,大学を中心に各領域の研究の歴史,第3部は,それぞれの方々の活躍された時代の思い出を自由に随筆風に書いて頂いたもの,第4部は,現役の大学在籍の方々や基幹病院の方々に,今後の展望を語って頂いた,といったものです.

名古屋大学は,現在 ノーベル賞受賞者の輩出で湧いておりますが,当精神医学教室は,臨床および臨床に根ざした研究に力点が置かれ,地味な業績が多く,いわゆるClinical Empiricismが基本精神であり,そのことは この本を通して よく判ると考えております.

しかし,このことは 東海地方の精神医療の水準の向上に少なからず 寄与していると思います.

現在は,自殺,閉じこもり,犯罪などを通して メンタル・ヘルスが,国民の関心を高めている時代ですが,この中には それらに対応するヒントは 含まれていると考えられます.

名古屋大医学部生協書籍部(電話052-731-6815)で,定価 3,000円で販売しております.

是非,皆様のご一読をお勧めしたいと存じます.