教授からのごあいさつ
尾崎紀夫からのメッセージ
- 大学院入学の勧め
- 総合病院精神医療・児童精神医療の担い手育成
- こころの健康第33号(1)「卒後研修必修化において願うこと」 (254KB)
- 学友時報645号「教授就任」 (430KB)
- 学友時報659号「私の旅行カバン第73回」 (269KB)
- 学友時報689号「精神科医を志した頃」 (226KB)
- 名大精神科ユニットの研究展望(100周年誌) (474KB)
- 手作業の実験をしていた頃のこと
- よくわかる診療科第11回NHKきょうの健康
- 精神医学43, p234-5, 2001
- 卒前教育:精神神経学雑誌, 112
- 日医ニュース 第1179号
※ いずれもPDFファイルです.
当「精神科ユニット」の構成について
「精神科ユニット」は,診療部門が「精神科」と「親と子どもの心療部(児童精神科)」,大学院研究部門が「精神医学」,「精神生物学」,「発達・老年精神学」,「親と子どもの心療学」の各部門に分かれており,全ての科長,部門長を尾崎紀夫が担当しております.精神科ユニットの各診療科,各研究分野は診療・教育・研究面で,「子どもから老年まで」,「心から脳,ゲノム」まで広範な精神医学的問題に対応することを目指して作られております.
例えば,産後によく起こる産後のうつ病はお母さん自身の問題であると同時に,お子さんの心の発達にも関係し,お母さんを支えるご家族の問題でもあります.また,かつての精神医学は「心か?脳か?」,「遺伝か?環境か?」といった発想で進められていましたが,今では,「心と脳」,「遺伝と環境」の相互関係を踏まえ,全体を捉えることが,臨床面でも研究面でも必要になっております.
この様な状況を踏まえ,各診療科,各研究分野は各々の専門性を大事にしつつ臨床・教育・研究面で協力しあって,全体が「精神科ユニット」して活動しております.以下,「精神科ユニット」としての方向性について紹介させていただきます.
社会的なニーズを踏まえた「精神科ユニット」の方向性
近年,「こころ」の問題は社会の一大関心事となり,精神医学に対する期待と要請は高まっています.この精神医学に対する社会的要請の高まりを裏付ける以下の様な事実も明らかになっております.1) 多くの精神障害の発症頻度は高いが,しかるべき医療的対応を受けていない患者も多く,その結果自殺や長期休務等の大きな社会的損失がもたらされている.2) 身体疾患患者は精神障害を合併する頻度が高く,精神医学的介入が身体患者のQOLの向上,ひいてはその疾患自体の予後のために有用である.
したがって,当「精神科ユニット」で行う臨床・教育・研究は,この社会的なニーズに応えるべく努力することが最も重要と考えています.とりわけ重視している臨床上の基本理念は「患者の生物・心理・社会的側面に配慮し,実証的データと患者・家族のニーズに基づく精神医療の実践」です.この基本理念に沿い,研究は「日々の臨床が新たな実証的データを作成する」ことを目指し,教育は「臨床と研究の成果と方向性を伝え,ひろめる」ことを目標にしております.
大学院教育と直結する研究において,「日々の精神科臨床の中で生じる課題に関する実証的なデータを明らかにする」と同時に,「現在の治療法では十分な効果が得られない難治例が少なからずある」こと,「精神障害について十分な理解が得られていないために生じる誤解や偏見で苦しんでいる人々がいる」ことを意識する必要があります.したがって,ゲノム医学や神経科学など諸科学の知見と心理社会的・環境因子を加味した研究により,「精神障害の病態生理を解明する」ことが,我々に課せられた重要な研究課題です.その結果,「病態生理に基づいた治療・予防法の開発」と,「精神障害のわからなさに起因する誤解や偏見」の解消に繋げるため,一層力を注いでいきたいと思っております.
以上,述べました当「精神科ユニット」の臨床・教育・研究を実践して行くには,精神科医のみらならず様々な方のご協力を必要としております.ご興味を持たれた方は,医師,心理士,看護師,薬剤師,基礎研究者を問わず,気楽にメールで,何時でも尾崎紀夫まで (ozaki-n@med.nagoya-u.ac.jp)御連絡ください.
