放射線科紹介

診療・研究案内

研究プロジェクト

  • 高磁場MRIの臨床応用
  • 内耳MRI とくに3D-MRIによる突発性難聴やMeniere病などの内耳疾患の病態解明
  • 新たな肝腫瘍検出MRI撮像法開発
  • 転移性脳腫瘍診断法最適化
  • Susceptibility weighted imageの多発性硬化症への応用
  • 膵臓癌・胆道癌におけるマルチスライスCT診断
  • 乳癌診療における画像診断最適化
  • 甲状腺癌、悪性黒色腫での核医学診断学再構築
  • モニター診断の安全性検討
  • 新しい放射線治療法開発
  • 肺癌におけるCADの開発、評価
  • 新医療システム開発

研究指導の方針と体制

日常臨床と直結する内容の研究が主体である。日々の診療において疑問や問題意識を持つことから研究がはじまる。丁寧な日常診療をしながら、従来、明らかでない疾患の病態解明、新規診断法、治療法の開発、医療システムそのものを変革させる大胆な発想による新たな挑戦など、世界に通用する放射線科医師、研究者の育成を目指している。

MRI

Siemens社製の3-Tesla MRI装置3台と、1.5-Tesla MRI装置3台の計6台が稼働しています。当院では国内において早くから3-Tesla装置を導入しており、その症例の蓄積も豊富です。検査室には放射線科医が常駐しており、検査目的に応じた撮影法を放射線技師に指示し 全ての検査について読影レポートを作成しています(年間約20,000件)。

研究テーマ

CT

最新式の64列マルチスライスCT 2台を含め、計4台のマルチスライスCTが稼働しており、ほぼ全ての検査について放射線科で読影レポートを作成しています(年間約26,000件)。検査室には放射線科医が常駐しており、検査目的に応じた撮影法を放射線技師に指示するとともに、ワークステーションでの3D画像の作成などを行っています。

研究テーマ

RI

アイソトープ検査は、微量の放射性同位元素(RI)を体内に静脈注射もしくは経口で投与し、体内での動態をガンマカメラで撮影する検査です。転移性骨腫瘍の検出、脳や心筋の血流検査、腎機能検査など多種多様の検査があり、目的に応じて様々なRIを使い分けます。名大病院にはガンマカメラが3台あり、いずれもSPECTが撮影できる最新の装置です。年間約2,800件の検査を行っており、全例に放射線科で読影レポートを付けています。また甲状腺機能亢進症や甲状腺癌に対するRI治療(内用療法)も行っています。名大病院は愛知県内で甲状腺癌に対する内用療法が行える唯一の施設であり、年間約50件の治療を行っています。

研究テーマ

PET

PET室は2部屋で、PET/CTとPETが入っています。PET/CT (Biograph16, Siemens)は平成18年より新規に導入されました。もう1台のPETカメラは元々あったPET (HEADTOME-V, SET-2300W (島津製作所))をバージョンアップし、HEDTOME-V、SET-2400Wとして使っています。サイクロトロン(住友重機、CYPRIS HM-18)、放射性薬剤自動合成装置(住友重機、F-18 FDG合成装置F-200、ガス状標識化合物合成装置、C-11研究用合成装置、F-18研究用合成装置)など最新の設備を備えています。F-18 FDGだけでなく、C-11メチオニン、O-15 H2O、O-15ガス、F-18 FDOPA、C-11コリン等を合成しており、臨床応用や研究に使用しています。

研究テーマ

IVR

IVR(Interventional radiology)とは放射線診断技術を応用して行われる低侵襲治療で、「血管内治療」や「血管内手術」もほぼ同義語です。IVRの特徴は身体への負担が少なく、高齢者や手術リスクの高い患者でも治療可能なことです。IVRはIVR-CT(血管造影装置とCTが複合した装置)を2台使用して行っています。治療内容は各種悪性腫瘍に対する動脈塞栓術や動注化学療法、リザーバー留置術、血管狭窄病変に対する血管拡張術(PTA)、ステント治療術、動脈瘤に対する動脈塞栓術、ステントグラフト治療、血管奇形や動静脈瘻に対する動脈塞栓術などを中心に行っており、これら血管系IVRと血管造影検査を合わせて年間約450件行っています。また、当科では出血に対する緊急IVRにも夜間・休日を問わず対応しています。生検やドレナージなどの非血管系IVRは年間約100件行っています。

研究テーマ
  • 肝腫瘍に対する動注化学塞栓療法
  • 大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術
  • 腹部内臓動脈瘤に対する血管内治療
  • 血管奇形に対する動脈塞栓術、硬化療法
  • FPD血管撮影装置による3D-DSA
  • 3Dプリンタによる血管モデル作成

US・マンモグラフィ

当院放射線科における超音波検査(US)は、主に乳腺・甲状腺領域を専門として、RVS(Real-time Virtual Sonography)やエラストグラフィの搭載された最新のUS装置を用い、専門の放射線科医と放射線技師が行っています。またトモシンセシスやフォトンカウンティング技術を搭載した最新マンモグラフィが稼働しており、MMG読影専用の高解像度モニタを用いて、乳腺領域を専門とする放射線科医が読影レポートを作成しています。

研究テーマ

放射線治療

放射線治療部門は放射線治療医6名(全員日本放射線腫瘍学会の放射線治療専門医)、医学物理士3名、診療放射線技師8名(医学物理士含む)、看護士1名の体制で協力して診療にとりくんでいます。

当院の保有する放射線治療機器は、第1、第2放射線治療室にはVarian社製iXと21EXという2台のリニアックがあります。高精度マルチリーフコリメータm3、Exactrac X-rayシステム、6軸ロボティックカウチ補正寝台などを備えており、定位放射線治療(SRT)、強度変調放射線治療(IMRT)、画像誘導放射線治療(IGRT)など高精度放射線治療が可能となっています。

第3放射線治療室には遠隔操作式小線源治療装置(RALS)があり、主に子宮頸癌に対する腔内照射を行っています。治療計画用CTも同室に設置されており、腔内照射時に同一寝台を用いてCT画像を取得し、画像誘導小線源治療(IGBT)も可能です。腔内照射は国内トップクラスの治療件数を有しております。

中央診療棟手術部の第6手術室には移動型術中照射装置(MOBETRON)が設置されており、2007年4月から稼働しています。現在では主に乳癌の加速乳房部分照射(APBI)の1つである術中照射を行っています。また2005年2月から早期前立腺癌の密封小線源治療を開始しており、既に400例近い症例を経験しています。

がんの集学的治療は急速に進歩しその重要性が増していますが、当院では耳鼻咽喉科、産婦人科、脳神経外科、口腔外科、食道外科、呼吸器科など多くの診療科と合同カンファランスを行い、よりよい集学的治療につとめています。

研究テーマ