名古屋大学小児科では開講100周年を迎え多くの事業を行なってまいりました。
1. 開講100周年記念式典・祝賀会
2009年10月31日、名古屋マリオットアソシアホテルにて開催。
記念講演では、日本小児科学会会長(当時・現理事)の横田俊平先生から「これからの小児科学と小児医療」についてご講演をいただきました。
また、その後の祝賀会には全国から200名以上の同門会員が集い、盛大に繰り広げられました。
2. 市民公開講座
同じく10月31日、名古屋大学豊田講堂で市民公開講座を開催。小児科医局員による弦楽四重奏で始まった同講座では、小島教授の講演に続き、「家族の立場からみた小児医療」というテーマで、白血病のお子さんと闘病生活を続け、お子さん亡き後、現在は入院闘病中の子どもたちのためにボランティア活動を続けている大竹由美子さん、超低出生体重児として出生し、多くの手術や長期にわたるNICUでの治療を乗り越えてこられた息子・植木雄大君と一緒に登壇した植木倫枝さんから、小児科医への感謝の言葉や小児科医の必要性が述べられました。また、名古屋大学小児科で勉強され、現在はイラクで活動しているアサード・A・アミール先生から「イラクの小児医療と国際協力」、作家であり諏訪中央病院名誉院長でもある鎌田實先生からは「子どもの命を守りたい −がんばらない けど あきらめない−」と題して講演が行われました。
聴講者は500名を超え、公開講座修了後には聴講者から世界の恵まれない子どもたちへの医療支援のために多くの寄付金が寄せられました。
募金実績は24万7,636円(2010年7月21日現在)となり、この寄付金は、イラクの子どもたちのいのちと平和のために活動を続けておられる「セイブ・イラクチルドレン・名古屋」に寄付させていただきます。
心温まるご寄付を賜りました多くの皆様に深く感謝を申し上げます。
3. 一般向け小冊子「こどもの医療 愛知の100年」の発行
名古屋大学小児科では一般の方、特に子育て中のお母さん向けに小児医療の進歩やそれに貢献した小児科医の努力、今後の目標を解説した小冊子を作成しました。冊子には患者さんやご家族からの作文や、小児科医の心に残った患者さんについてのエピソードなども掲載しました。また、名古屋大学小児科の関連病院の紹介も掲載して、医療機関を受診する際に役立つ内容にしました。
4. 作文募集
「私と小児科の先生」というテーマで患者さんやそのご家族から作文を募集しました。
<結果発表の項を参照>
5. 名古屋大学小児科学教室100年史の発行
明治42年に愛知県立医学専門学校 婦嬰科より小児科学講座が完全に独立してからの100年にわたる歴史を編纂。2010年8月発行。
6. 新たな100年の始まりに向けての活動
開講100周年を迎えるにあたり、新たな100年の始まりに向けていくつかのプロジェクトを企画しました。卒前・卒後研修や子育て女性医師の支援などすでに軌道に乗っているプロジェクトも多くあります。
1) 卒前・卒後教育
2) 若手小児科医師のリクルート
3) 子育て女性医師支援
4) 愛知県の小児医療への対応、特に専門医の手薄な分野
愛知県4大学合同による医療体制
5) 国際交流
6) 研究基盤の整備
7) 広報、ホームページによる名大小児科医局の情報公開