不妊相談Q&A

質問去年流産しその後妊娠を望んでいますが、なかなか妊娠しません。流産後不妊になることはあるのでしょうか。

答え流産と不妊の関係ですが、自然流産の頻度は15%前後と考えられており、決して稀なことではありません。誰にでも起こりうる(いわば自然の摂理ともいえる)流産の最大の原因は、偶然おこった胎児側の染色体、遺伝子の異常です。卵子、精子の形成とそれらの接合により受精卵が得られるという現象は遺伝的に大変複雑な現象です。よって、1回の自然流産があっても、次の妊娠で生児を得られる可能性は高い(約80%)といえます。ただし中には2回(反復流産)あるいは3回以上(習慣性流産)流産を繰り返す方がおり、これらをまとめて不育症と呼びます。少なくとも3回以上の場合はご夫婦で系統的な検査が推奨されています。不育症の原因のいくつかは不妊症の原因と重なっており、流産したからといって不妊症になることはほとんどないといえますが、なかなか妊娠しない場合は不妊症としての検査をうけたほうがよいでしょう。まれなケースですが流産に感染を合併したりした場合には、子宮内に癒着がおこりその後の不妊症の原因となることもあります。
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