21世紀は第3内科の時代、
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名古屋大学医学部第三内科 堀田 饒 |
| 私が専門とする領域は内科学のなかでも内分泌・代謝、特に糖尿病です。科学の世界ではさまざまな生命現象が分子生物学的に捉えられ、遺伝子工学的手法を用い、実験に臨床にと活発な研究が繰りひろげられています。糖尿病学においても然りで、疾病に対して遺伝子的診断、遺伝子治療の導入が話題となっています。“糖尿病”は、21世紀において“癌”“高血圧”と並び、我が国は固より世界的に関心の最も高い病気です。とはいえ、慢性疾患の代表ともいえる糖尿病の管理・治療には先端医療にばかり目を奪われることなく、医療の原点ともいえる患者の心を癒すことも大切です。 ところで、第三内科学教室は、“糖尿病”、“腎臓病”、“循環器病”、“消化器病”そして“一般内科(内科総合)”の5分野に分かれ、生活習慣病を背景とした疾病が多いのが当教室の特徴で、多くの人が臨床、教育、研究に日夜専念しています。何れの領域も、世界の研究者に比肩出来る素晴らしい業績をあげています。当教室が目指すのは、個を尊びながら、若い人に大きな夢を抱かせ、創造力豊かな研究者、人間性溢れる教育者、心の痛みが分かる良い臨床医の育成です。幸い、優秀な人材にも恵まれ、若い人を育てるのに適した環境の最も整った教室の一つと自負しています。また、研究室間に壁がなく、学閥もなく、自由闊達、明るい雰囲気の講座なことも他に誇れることです。 中国の古典の一つ、「論語」の中にこんな一節があります、“冉求が曰く、子の道は説ばざるには非ず、力足らざるなり。子の曰く、力足らざる者は中道にして廃す。今、汝は画れり。”(ぜんきゅうがいわく、しのみちはよろこばざるにはあらず、ちからたらざるなり。しののたまわく、ちからたらざるものはちゅうどうにしてはいす。いま、なんじはかぎれり。)能力に恵まれた冉求は物事の先が見える人ゆえに、先を見通して“力足らざるなり”と諦めの言葉を口に出したのに対して、師である孔子は潜む能力を引出し、人を育てることが義務という考えから、弟子の冉求が事を起す前に自の能力を見限ったことに腹を立て、“汝は画れり”と痛烈な言葉を投げている。若い人は誰しも、抱く“夢”は遙か遠くにあって、現実が不可能と思いがちです。ただ憧れだけでは折角の潜む能力は埋もれたままです。“夢”を実現したいと本心欲するならば、実現に向けて一歩を踏み出すことが大切です。一歩踏み出せば、自己が考えているよりは“夢”が容易に適しことを「論語」のこの一節は我々に語りかけています。 春秋に富む若い人には、“夢を抱いて欲しい”“安易に自己の可能性を見限ることなく”、“夢の実現に向けて、まず一歩を踏み出して欲しい。”教室員一同の願いは、臨床、教育、研究いずれの領域でも構わない、“夢”を持った人と一緒に楽しく仕事が出来ることです。我々と一緒になって、“夢”の実現に向け、一歩踏み出してみませんか。 |