▽志望される方へ


■ 大学院生(博士・修士)

私たちの分子腫瘍学分野で進められつつある研究は、「がん」の本態解明を目指した基礎的な研究から、ヒトがんの克服を目指したトランスレーショナルな研究に至るまで多岐に渡ります。私自身(高橋)は、外科医としての修練を経て基礎研究に転身しましたが、当分野のスタッフ達はMDとPhD、ウェット系とドライ系或いは、同じMDでもスタートが内科、外科、基礎と、実に多様なバックグラウンドを持ちます。そして、私たちはそれぞれの特性を発揮しつつ、互いの密接な協力体制の下に多彩な研究を進めつつあります。
 したがって、大学院生はそのようなスタッフたちとのインタラクションの中で、科学的な課題に対する多角的な見方や発想法の習得の機会をふんだんに得ることができます。また、研究内容も極めて基礎的な内容から、先端医療としての還元を直接目指し、ヒトゲノム情報やプロテオミクス解析を活用した応用研究まで多彩です。大学院生として研鑽を積む中で、医学部を卒業した方々のみならず、薬学・理学・農学などの他の学部を卒業した方々にとっても、自分の興味と特性がどのようなアプローチの医学研究にもっともフィットするのかを模索する良い機会になることと思います。また、臨床部門との交流を通じて、「がん」診療上の課題と、基礎的或いはトランスレーショナルな研究の成果が、どのように摺り合わされ追求され得るかについても学ぶことができるでしょう。将来的にがんの医学・医療の前進に貢献したいと考えている意気軒昂な“あなた”にとって、刺激に満ちた研究室だと思います。
 博士課程の大学院生は、欧文の一流誌に論文を発表し学位を取得することを目指します。その過程で、将来あなたが研究を主導する立場になるために必要な基盤を学んで欲しいと思います。大学院生は、日常的なディスカッションや、教授らスタッフとの個別ミーティング(毎火曜日、順に月に一度程度の頻度で)、研究室全員でのプログレスリポートとジャーナルクラブ(毎金曜日、担当するのは2~3カ月に一度の頻度)を通じて、研究を進める上で必要な実験手技や文献的知識のみならず、研究の着想と組み立て方や英語論文の執筆の仕方にいたるまで、細やかな指導を受けることになります。留学の相談にも積極的に対応しており、これまで多数の卒業生が海外の一流の研究室に留学してきました。2014年5月現在の在外卒業生は、ミシガン大学(ポスドク)、及び、M.D.アンダーソンがんセンター(フレッドハッチンソンがんセンターでのポスドクを経て、アシスタントプロフェッサー)にて活躍中です。
 修士課程の大学院生達に対しては、博士課程に進んだ際に欧文の一流誌に発表できる研究を展開できるように、それに必要な基盤を涵養できるように指導しています。そのために必要な実験手技や基本的な文献的知識のみならず、研究の進め方の基本を習得しましょう。なお、修士課程の大学院生には、なるべく博士課程まで進むような人を希望します。


■ 医学部学生

研究に興味を持つ名大医学部の学生の中から、夏季休業期間中のサマースチューデントなどとして、ある程度まとまって参加できる人を受け入れています。スタッフらから基礎的な実験手技を最初は手取り足取り教えて貰い、だんだんとペースをつかんで来たら、あとは本人のやる気次第です。なかには、すっかりラボの一員として放課後とか週末にも頑張って、共同筆頭著者として論文にまとめ上げた人たちさえいますが、逆に一夏で脱落するのも良い経験になるかも知れません。
 なお、研究に賭けているスタッフたちが彼らの時間を割いてチャンスを与えてくれていることを理解できる人は大歓迎ですが、きちんと対応したいので基本的に各学年2名程度までしか受け入れていません。興味のある方は、高橋までメールしてみてください。

連絡先: 高橋 隆 (分子腫瘍学分野 教授)
tak@med.nagoya-u.ac.jp